典型的な会社設立
設立に際しては、最低資本金が300万円でいい(「株式会社」は1000万円以上)とか、設立後の運営に関しても『有限会社』は、取締役は1人でいい(「株式会社」は3人以上)とか、監査役はおかなくていい(「株式会社」はおく必要がある)とか、役員は任期を定めなくていい(「株式会社」は2年ごとに改選)とか…なにかと「株式会社」よりは簡易化されているのが、この『有限会社』という組織なのです。
のちほど、『なぜ有限会社が株式会社より有利なのか』についてはくわしくふれることにします。
これまでの話だけでも「有限会社は、なるほどすばらしい」とわかるような気がします。
出資者(社員)は全員が「有限責任社員」。
会社の債務に対して、自分が出資した額の範囲だけ責任を負う(株式会社の場合と同じ)。
社員(出資者)数は50人以下。
株式会社にくらべ、設立手続き、運営機関とも簡易化されている。
出資者(株主)は全員が「有限責任社員」。
会社の債務に対して、自分が出資した額の範囲だけ責任を負う(会社の負債は、会社の財産で返済する)。
多人数、大資本を集めることが可能。
出資者(社員)は全員が「無限責任社員」。
会社の債務に対してトコトン責任を負う。
2人以上の社員で設立する。
出資者は同族だけというケースが多く、家族的・人的結合が強い。
新規設立はほとんどなく、全国で6,700社。
地方の老舗の醸造業などに見られる程度。
出資者(社員)は、会社の債務に対して無限の責任を負う「無限責任社員」と、自分が出資した額の範囲だけしか責任を負わない「有限責任社員」の2種類で構成される。
新規設立はほとんどない。
「何のために会社にするのか」すでに会社を持っている人も、これから会社をつくろうとする人も、すぐに答えることができますか?(会社というのは、儲けるための最善の組織になっている)からなのですよ。
個人で商売をすることもできますし、それで上手に儲けている人も数多くいます。
しかし、それは、あるレベルまでであって、より以上に、より大きく儲けるための組織として、会社というものは、存在理由があるのです。
このあたり前のことが、実は、基本で、とても大切なことなのです。
「会社」とは、より大きく儲けるために考案された組織なのです。
会社組織にすることを「法人成」といいます。
つまり、1つの組織を法律のうえで、「人間」として扱いましょうというわけです。
形の上で、「成人」として扱いましょうということで、いろいろと国が保護してくれたり、税金を払ううえで有利な取扱いをしてくれるわけです。
世間も「おお、成人になったのか」と大人として認めてくれる、つまり信用がつくわけです。
あとは、「その成人がどんな行動をするか」によって、信用は倍加されたり、はずされたりします。
いい成績をあげると、銀行さんも信用して、どんどんお金を貸してくれるようになるわけです。
会社になることは、一言でいえば、信用の骨組みを作ったということになるのです。
さて、個人事業にしておいて具合のよい点もないではないのです。
しかし、これらのメットは、いわば「安易性」と裏と表であり、その分、「信用」は薄くなることはいうまでも開業時の費用や手間が少なくてすむ個人開業は、最少の手続きでスタートできます。
法人にする場合、まず法人登記をしなければなりません。
登記関係だけでも、定款印紙代、定款認証料、登録免許税などで、有限会社の場合で最低1万円、株式会社で最低10万円以上はかかります。
これは、自分で類似商号を調べ作成する場合に限ります。
これには、費用と手間がかります。
まず帳簿ですが、個人事業ですと、白色申告もできます。
これは帳簿づけはいりません。
3万円以上の費用がかかります。
また、現在、有限会社の取締役は1人以上ということで、夫婦が協力すれば、第三者の助けを求める必要はありません。
しかし、株式会社にする場合は取締役は3人以上必要ですから、どうしても夫婦以外の人に頼まざるをえません。
会社設立の趣旨を説明してまわり、印鑑証明をもらい、書類にいちいち印鑑を押してもらう手間も加わります。
実際にやってみると、これらの作業は、意外と手間どるし、設立後もあれこれ助言や苦言を供されて、閉口することが多いのも事実です。
個人でスタートする分については、その点、実に気楽なものです。
(もっとも「商法・有限会社法」の改正法が実施されましたので、法人の開業手続きも、大幅に簡素化されました。
ただし、最低資本金が、新規設立の場合、株式会社で1000万円、有限会社で300万円にはねあがりました。
これらの情報について、第4章でくわしくまとめていますので、お読みになってください。
個人事業は、法人にくらべて開業後の手間も簡便にすむ。
さて、個人事業でも、この「白色申告」をやめて「青色申告」を選択できます。
これは、「正しく記帳して、所得の報告をしてください。
そのかわりいろいろの特典をつけましょう」というのが趣旨ですから、税務上、いくつかのメリットが用意されています。
しかも、「簡易帳簿」による記帳でOKなのです。
ところが、法人になりますと、すべて到騒崩恩日で、つける帳簿もよらなければならないのです。
かんたんに簿記といいますが、自分で簿記ができる人はそうはいませんので、プロの経理マンを雇うかプロの税理士さんにおねがいすることになります。
ここでも月々の顧問料とか決算時には「決算書作成料」などの出費も発生します。
ただし税務署も推定で課税してきますので、特殊な例外を除き、私は、これはお勧めしません。
帳簿をつけるのは、税務署のためばかりではないのです。
自己の経営の姿を、ある程度、客観的につかむためにも必要な作業が、帳簿づけなのです。
したがって、帳簿をつけなくてもやっていける能力のある人ならともかく、通常は帳簿なしですませられる経営ではタカが知れています。
しかし、個人事業ですと、「青色申告」にしても、簡易帳簿でよく、決算時にも損益計算書を作成すればすみます。
この「簡易帳簿」というのは、日本青色申告法人会の発行するグリーンの表紙の小帳簿ですが、これは実によくできていて、しかも記帳もカンタンです。
はじめて帳簿をつける人でも、日々とか月々の収入、支出をつけていくだけで、決算月がくると、あらかたの損益計算書ができるようになっています。
私は、有限会社のオーナー社長ですが、有限会社にもこの「簡易帳簿」を認めてくれたらどれだけスッキリすることだろうと思っています。
小さな会社にとって、それほど有用で簡便な帳簿です。
法人の場合、社長が会社からお金を借りることは、普通はありません。
会社の金と個人の生計費などとは、ハッキリ分離されていますから、借りることがあっても、きっちり「貸付金」として処理されます。
逆に、社長が会社に対して資金を個人的に援助したときは、会社は「借入金」として経理処理します。
つまり、もはや自由自在に、会社の金庫から生計費など個人的用途のお金を往来させることはできません。
仮に法人がこういうことをしていると、たちまち税務署さんが飛んできて、「これは役員賞与と認定します」と、法人税や所得税を追徴されることになります。
ところが、個人の場合、ハッキリいって自由自在ですね。
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